コート・ド・ボーヌで唯一の赤の特級畑であるコルトンは、アロース・コルトン、ラドワ・セリニー、ペルナン・ヴェルジュレスの3村にまたがる広大な面積を誇る。コルトンの丘の上部に位置し、多様な微気候と土壌を備えているのが特徴だ。主要な所有者には、12.5ヘクタールを擁するドメーヌ・ルイ・ラトゥールをはじめ、ドメーヌ・コント・スナール、ドメーヌ・ブシャール・ペール・エ・フィス、ドメーヌ・プランス・フローラン・ド・メロード、ドメーヌ・シャンドン・ド・ブリアイユ、ドメーヌ・ルイ・ジャドなどが名を連ねる。各区画の個性が反映された力強く、長期熟成に耐えうる偉大なワインが産出されている。
Corton
コルトン
所有造り手
50 producers歴史
コルトンの丘は、ブルゴーニュの記録に残る最古の葡萄畑のひとつだ。8 世紀後半、シャルルマーニュ大帝がこの一帯を所有し、775 年頃にサン・タンドッシュ修道院(Saulieu)に寄進したとされる。「シャルルマーニュ伝説」が丘全体で共有されているのはこの史実に由来する。
赤ワインのグラン・クリュとしての AOC 認定は 1937 年。アロース・コルトン・ペルナン・ヴェルジュレス・ラドワ・セリニーの三村にまたがる丘がそのまま AOC 領域となっており、コート・ド・ボーヌで唯一の赤ワインのグラン・クリュである。年間生産量はおよそ 400,000 本。
味わいの特徴
ブルゴーニュ全体で最大級のグラン・クリュ畑。赤約 95%、白約 5% という構成で、丘の中腹から下方の粘土質層では赤(ピノ・ノワール)が、上方の石灰質土壌では白(コルトン・シャルルマーニュ)が造られる。
実は、コルトンは climat 名をラベルに併記することが他のグラン・クリュより頻繁に行われるという珍しい特徴を持つ。Le Corton・Les Bressandes・Clos du Roi・Les Renardes・Les Perrières・Les Pougets などが代表的な climat で、それぞれが異なる性格のワインを生む。Le Corton と Clos du Roi が骨格と長期熟成のポテンシャルで頂点とされ、Bressandes は赤果実の華やかさで定評がある。
栽培品種は赤がピノ・ノワール、白がシャルドネ。AOC 規定上、最大 15% までシャルドネ・ピノ・ブラン・ピノ・グリの混植が認められる。コート・ド・ボーヌに位置しながらコート・ド・ニュイの力強さを併せ持つ赤、と評されることが多く、長期熟成型のスタイルだ。
著名な生産者の紹介
Domaine Bonneau du Martray — コルトンの丘の主要な所有者で、コルトン・シャルルマーニュと並んで赤コルトンも生産する。
Maison Louis Latour — 丘における歴史的な大手所有者で、Château Corton Grancey 名義のキュヴェで知られる。
Domaine Bouchard Père & Fils — 赤コルトンの climat を複数保有する大手メゾン。
Domaine de la Romanée-Conti — 2009 年以降、ボヌヴォー=ジョワール家から取得した畑で「Corton」名義のワインをリリースしている。
Hospices de Beaune — 複数の climat に区画を持ち、毎年のオークションで各 climat 名義のキュヴェを出品する。
その他、Domaine Tollot-Beaut・Domaine Comte Senard・Domaine Chandon de Briailles など、コート・ド・ボーヌ北部を代表する造り手が広範囲に区画を保有している。
ヴィンテージ評価
Côte de Beaune・Rouge・1947〜2024年(5 段階総合評価・新しい年が右)
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| 年 | 総合評価 | 飲み頃 | コメント |
|---|---|---|---|
| 2024 | ★★★★★ | 早飲み | 霜・雹・ミルデューでピノが極めて困難に。最悪ケースでは収量四分の一、全体に薄く厳しい品質となった年。 |
| 2023 | ★★★★★ | 早飲み | 大豊作で果実味豊かだが密度の管理が難しかった年。魅力的だが品質はやや不均一、早飲みで愉しめる親しみやすい赤。 |
| 2022 | ★★★★★ | 待つ | 猛暑にもかかわらず芳香高くタンニンと果実が緻密に統合された華やかな赤。完成度の高い近年屈指の傑作年。 |
| 2021 | ★★★★★ | 待つ | 冷涼でクラシックな高酸への回帰。ジューシーでクランチーな地区物、特級は古典的な気品と新鮮さを示す。 |
| 2020 | ★★★★★ | 待つ | 凝縮感あり劇的な果実に予想外の新鮮さを併せ持つ。早摘みで酸を保ち、長期熟成への期待が高い傑出した年。 |
| 2019 | ★★★★★ | 待つ | 完熟しつつ古典的バランスを保つ卓越した年。豊かな果実と新鮮な酸が共存し、長期熟成適性を備えた優良ピノ。 |
| 2018 | ★★★★★ | 待つ | 色濃く生き生きとした凝縮感ある赤。完熟と新鮮さの両立で長期熟成にも耐える、近年の傑出した年の一つ。 |
| 2017 | ★★★★★ | 飲み頃 | 豊作年で2016より41%増。しなやかで親しみやすい赤、早期から愉しめる果実味豊かで柔らかいスタイル。 |
| 2016 | ★★★★★ | 飲み頃 | 霜害で収量激減も、残った果実は色濃く果実味豊かで柔らかいタンニン。中期向きの魅力的なスタイルに仕上がる。 |
| 2015 | ★★★★★ | 待つ | 暖かく低収量で完熟した充実の年。深い果実と緻密な構造を備え、長期熟成型の優れたピノ・ノワールが結実した。 |
| 2014 | ★★★★★ | 飲み頃 | 新鮮で活き活きとしたエネルギーある赤。豊満さより緊張感と余韻に優れ、エレガントなコート・ド・ボーヌの典型。 |
| 2013 | ★★★★★ | 飲み頃 | 7月の雹で北側は被害を受けたが、全体には冷涼でクラシックな赤。チャーミングで中期熟成向きの透明感あるスタイル。 |
| 2012 | ★★★★★ | 飲み頃 | 霜・雹で収量激減も、残ったブドウは凝縮感とバランスのある赤に。骨格と果実が調和した優雅な良年。 |
| 2011 | ★★★★★ | 飲み頃 | 軽やかで親しみやすいピノ。骨格はやや穏やかで、純粋な果実味と早めに楽しめる柔らかさが魅力の中期向き。 |
| 2010 | ★★★★★ | ピーク | 酸とタンニンのバランスに優れた古典的な良年。コート・ド・ニュイには一歩譲るが、エレガントで熟成した魅力を発揮中。 |
| 2009 | ★★★★★ | ピーク | 豊潤で純粋な果実味を備えた当たり年。早めから楽しめる柔らかさ。 |
| 2008 | ★★★★★ | ピーク | 晩熟で小収量。純度の高い赤を生んだ過小評価の年。 |
| 2007 | ★★★★★ | ピーク | ボーヌ・ポマール・ヴォルネで良作。早飲き向きの香り高い赤。 |
| 2006 | ★★★★★ | ピーク | コート・ド・ニュイより軽やかだが、活き活きと優美な赤。 |
| 2005 | ★★★★★ | 待つ | 美しい均衡と骨格を備えた歴史的当たり年。果実味とタンニンが豊富。 |
| 2004 | ★★★★★ | ピーク | 雹と病害に苦しんだ年。徹底した選果で骨格ある赤を生んだ。 |
| 2003 | ★★★★★ | ピーク | 酷暑年で豊潤・濃密な赤。アルコールが高い例も多い。 |
| 2002 | ★★★★★ | ピーク | 均衡良く果実味豊か。コート・ド・ニュイよりやや軽めの優美なスタイル。 |
| 2001 | ★★★★★ | ピーク | 雨と雹で不均一。上位生産者のみ良作を残した年。 |
| 2000 | ★★★★★ | 下り坂 | 雨で軽く柔らかな赤。早飲き向きで多くはピーク越え。 |
| 1999 | ★★★★★ | ピーク | コート・ド・ボーヌでは近年屈指の好年。豊潤で官能的な赤。 |
| 1998 | ★★★★★ | 下り坂 | 霜と雹で不均一。上位ドメーヌのみ良作を残した。 |
| 1997 | ★★★★★ | 下り坂 | 豊潤で柔らかく早飲き向き。酸が低めの年。 |
| 1996 | ★★★★★ | ピーク | 新鮮で調和の取れた赤。豊作で希釈もあったが、骨格は健全。 |
| 1995 | ★★★★★ | 下り坂 | 雨と腐敗で多くが苦戦。上位は骨格ある赤を残した。 |
| 1994 | ★★★★★ | 下り坂 | 9月の雨で腐敗が広がった困難年。良作は稀。 |
| 1993 | ★★★★★ | 下り坂 | 厚い果皮から濃密でタニックな赤を生んだ古典的好年。 |
| 1992 | ★★★★★ | 下り坂 | 豊作で柔らかな赤。骨格に欠け早飲み向きだった。 |
| 1991 | ★★★★★ | 下り坂 | 霜と雹で苦戦。コート・ド・ボーヌは特に厳しかった。 |
| 1990 | ★★★★★ | ピーク | 歴史的当たり年。コート・ド・ボーヌでも豊潤で長熟ポテンシャル抜群。 |
| 1989 | ★★★★★ | 下り坂 | 豊潤で官能的な好年。1990のしっとりした前哨戦。 |
| 1988 | ★★★★★ | 下り坂 | 9月の好天で骨格ある赤を生んだ好年。 |
| 1986 | ★★★★★ | 下り坂 | 雨と腐敗で苦戦した難しい年。 |
| 1985 | ★★★★★ | 下り坂 | 優美で均衡良く凝縮感を備えた歴史的当たり年。 |
| 1983 | ★★★★★ | 下り坂 | 猛暑と腐敗が混在した難しい年。上位はタニックな赤を生んだ。 |
| 1982 | ★★★★★ | 下り坂 | 豊作で柔らかな赤。早飲み向きで多くはピークを越えた。 |
| 1980 | ★★★★★ | 下り坂 | コート・ド・ボーヌでは均衡良く芳香性に優れた年と再評価された。 |
| 1978 | ★★★★★ | 下り坂 | 晩熟の見事な当たり年。豊潤さと洗練が両立した古典。 |
| 1976 | ★★★★★ | 下り坂 | 酷暑年で凝縮した骨太な赤。長熟性を備えた古典。 |
| 1971 | ★★★★★ | 下り坂 | 凝縮感と骨格を備えた当たり年として記憶される古典。 |
| 1969 | ★★★★★ | 下り坂 | 繊細で骨格を備えた60年代の白眉。 |
| 1966 | ★★★★★ | 下り坂 | 均衡良く優美な古典的好年として記憶される。 |
| 1964 | ★★★★★ | 下り坂 | 凝縮感ある骨太なヴィンテージ。長熟性を備えた古典。 |
| 1962 | ★★★★★ | 下り坂 | 繊細で香り高い赤を生んだ20世紀後半の注目年。 |
| 1961 | ★★★★★ | 下り坂 | 凝縮感ある古典的好年。コート・ド・ニュイより穏やかなスタイル。 |
| 1959 | ★★★★★ | 下り坂 | ボリュームと優美さを両立した50年代の代表的好年。 |
| 1957 | ★★★★★ | 下り坂 | 均衡良くベルベットの様な舌触りを持つ古典。 |
| 1953 | ★★★★★ | 下り坂 | 稀有な優美さを備えた好年。香り高く繊細な赤を生んだ。 |
| 1949 | ★★★★★ | 下り坂 | 優美と均衡を兼ね備えた古典的傑作。20世紀屈指の赤ブルゴーニュ。 |
| 1947 | ★★★★★ | 下り坂 | 戦後の伝説的当たり年。凝縮した果実と骨格を備えた歴史的赤。 |
※ 専門家筋・業界全体の評価を集約した総合スコア。個別の畑や造り手で前後する場合があります。
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12 nearestよくある質問
- Corton はどこにありますか?
- Corton(コルトン)は、フランス・ブルゴーニュ地方の Côte de Beaune にある Aloxe-Corton / Ladoix-Serrigny / Pernand-Vergelesses コミューンに位置する畑(climat)です。
- Corton の格付けは何ですか?
- Corton は Grand Cru(特級畑)に格付けされています。ブルゴーニュワインの AOC 体系において 最上位の特級格付けに属します。
- Corton の所有者・造り手は誰ですか?
- Corton には 50 軒の造り手が区画を所有しており、総面積は 約 89.55 ha です。主な所有者として Domaine Louis Latour が挙げられます。
- Corton はどんなワインを生みますか?
- Corton では主に赤ワイン(Rouge)が生産されます。Aloxe-Corton / Ladoix-Serrigny / Pernand-Vergelesses のテロワールを反映したスタイルで、ブルゴーニュを代表する産地のひとつです。
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