コート・ド・ボーヌのムルソー村内に位置しながら、赤ワインを生産する際にヴォルネイの名を冠することが許された特殊な一画がサントノである。その中心部に位置するサントノ・デュ・ミリューは、約8ヘクタールの面積を有し、一帯で最も優れた条件を備えるプルミエ・クリュとして高く評価されてきた。ヴォルネイの他区画と比較して粘土質が豊富な土壌組成を特徴とし、そこから生まれるワインは骨格のしっかりとした厚みのある質感を備える。真価の発揮には一定の熟成期間を要するが、長期保存に耐えうる強固な構造が魅力である。ドメーヌ・デ・コンテ・ラフォンやアルベール・ビショーなどが主要な所有者として名を連ね、この地のポテンシャルを体現し続けている。
Les Santenots du Milieu
レ・サントノ・デュ・ミリュー
所有造り手
18 producers歴史
レ・サントノ・デュ・ミリュー(Les Santenots du Milieu)は、ヴォルネとムルソーの境界に位置する独特な 1er Cru。畑はムルソー村内の土地にありながら、AOC 規定上の特殊なルールにより、赤ワインとして造られた場合は「ヴォルネ 1er Cru Santenots」として販売される。白ワインの場合はムルソー 1er Cru として流通する。
「同じ畑でも、赤はヴォルネ・白はムルソー」という仕組みは、ブルゴーニュの AOC 制度のなかで例外的な存在だ。1937 年の AOC 認定時点からすでに慣習として確立していたものを明文化した結果であり、ブルゴーニュの土地制度の複雑さを象徴する一例である。
「Santenots du Milieu」はレ・サントノ区画の中核部分を指す。Santenots-Dessous や Santenots-Dessus などと区別され、Domaine des Comtes Lafon が長く主要所有者として知られてきた。
味わいの特徴
Santenots 一帯の総面積は約 30 ha 程度。そのうち「du Milieu」の区画はラフォン家がほぼ単独で所有する約 3.8 ha だ。土壌はムルソー側の石灰質とヴォルネ側のより痩せた赤土の中間的性質を持ち、赤ワイン向きの立地と評価される。
赤はピノ・ノワール、白はシャルドネ。もっとも、伝統的に赤ワイン中心で造られてきた。ヴォルネ特有の繊細さとムルソー側の肉付きの良さが交差する独特のバランスは、長期熟成のポテンシャルを支える。
著名な生産者の紹介
Domaine des Comtes Lafon — レ・サントノ・デュ・ミリューをほぼ単独所有する筆頭。白ワイン中心のドメーヌであるラフォンにとって、最も有名な赤ワイン区画。ドミニク・ラフォンによる現代的な解釈は国際的に高い評価を受けている。
Domaine Matrot — ムルソーの家族経営ドメーヌ。Santenots 一帯(du Milieu 以外の区画)にも区画を持つ。
Bouchard Père & Fils — 大手メゾンとして Santenots 区画を保有。
Domaine Jacques Prieur — Santenots に歴史的な区画を持つ。
ラフォンのモノポール的所有と「ヴォルネでありムルソーでもある」という AOC 上の特殊性。その二重性こそが、この畑をブルゴーニュのなかで独自の位置に押し上げている。
ヴィンテージ評価
Côte de Beaune・Rouge・1947〜2024年(5 段階総合評価・新しい年が右)
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| 年 | 総合評価 | 飲み頃 | コメント |
|---|---|---|---|
| 2024 | ★★★★★ | 早飲み | 霜・雹・ミルデューでピノが極めて困難に。最悪ケースでは収量四分の一、全体に薄く厳しい品質となった年。 |
| 2023 | ★★★★★ | 早飲み | 大豊作で果実味豊かだが密度の管理が難しかった年。魅力的だが品質はやや不均一、早飲みで愉しめる親しみやすい赤。 |
| 2022 | ★★★★★ | 待つ | 猛暑にもかかわらず芳香高くタンニンと果実が緻密に統合された華やかな赤。完成度の高い近年屈指の傑作年。 |
| 2021 | ★★★★★ | 待つ | 冷涼でクラシックな高酸への回帰。ジューシーでクランチーな地区物、特級は古典的な気品と新鮮さを示す。 |
| 2020 | ★★★★★ | 待つ | 凝縮感あり劇的な果実に予想外の新鮮さを併せ持つ。早摘みで酸を保ち、長期熟成への期待が高い傑出した年。 |
| 2019 | ★★★★★ | 待つ | 完熟しつつ古典的バランスを保つ卓越した年。豊かな果実と新鮮な酸が共存し、長期熟成適性を備えた優良ピノ。 |
| 2018 | ★★★★★ | 待つ | 色濃く生き生きとした凝縮感ある赤。完熟と新鮮さの両立で長期熟成にも耐える、近年の傑出した年の一つ。 |
| 2017 | ★★★★★ | 飲み頃 | 豊作年で2016より41%増。しなやかで親しみやすい赤、早期から愉しめる果実味豊かで柔らかいスタイル。 |
| 2016 | ★★★★★ | 飲み頃 | 霜害で収量激減も、残った果実は色濃く果実味豊かで柔らかいタンニン。中期向きの魅力的なスタイルに仕上がる。 |
| 2015 | ★★★★★ | 待つ | 暖かく低収量で完熟した充実の年。深い果実と緻密な構造を備え、長期熟成型の優れたピノ・ノワールが結実した。 |
| 2014 | ★★★★★ | 飲み頃 | 新鮮で活き活きとしたエネルギーある赤。豊満さより緊張感と余韻に優れ、エレガントなコート・ド・ボーヌの典型。 |
| 2013 | ★★★★★ | 飲み頃 | 7月の雹で北側は被害を受けたが、全体には冷涼でクラシックな赤。チャーミングで中期熟成向きの透明感あるスタイル。 |
| 2012 | ★★★★★ | 飲み頃 | 霜・雹で収量激減も、残ったブドウは凝縮感とバランスのある赤に。骨格と果実が調和した優雅な良年。 |
| 2011 | ★★★★★ | 飲み頃 | 軽やかで親しみやすいピノ。骨格はやや穏やかで、純粋な果実味と早めに楽しめる柔らかさが魅力の中期向き。 |
| 2010 | ★★★★★ | ピーク | 酸とタンニンのバランスに優れた古典的な良年。コート・ド・ニュイには一歩譲るが、エレガントで熟成した魅力を発揮中。 |
| 2009 | ★★★★★ | ピーク | 豊潤で純粋な果実味を備えた当たり年。早めから楽しめる柔らかさ。 |
| 2008 | ★★★★★ | ピーク | 晩熟で小収量。純度の高い赤を生んだ過小評価の年。 |
| 2007 | ★★★★★ | ピーク | ボーヌ・ポマール・ヴォルネで良作。早飲き向きの香り高い赤。 |
| 2006 | ★★★★★ | ピーク | コート・ド・ニュイより軽やかだが、活き活きと優美な赤。 |
| 2005 | ★★★★★ | 待つ | 美しい均衡と骨格を備えた歴史的当たり年。果実味とタンニンが豊富。 |
| 2004 | ★★★★★ | ピーク | 雹と病害に苦しんだ年。徹底した選果で骨格ある赤を生んだ。 |
| 2003 | ★★★★★ | ピーク | 酷暑年で豊潤・濃密な赤。アルコールが高い例も多い。 |
| 2002 | ★★★★★ | ピーク | 均衡良く果実味豊か。コート・ド・ニュイよりやや軽めの優美なスタイル。 |
| 2001 | ★★★★★ | ピーク | 雨と雹で不均一。上位生産者のみ良作を残した年。 |
| 2000 | ★★★★★ | 下り坂 | 雨で軽く柔らかな赤。早飲き向きで多くはピーク越え。 |
| 1999 | ★★★★★ | ピーク | コート・ド・ボーヌでは近年屈指の好年。豊潤で官能的な赤。 |
| 1998 | ★★★★★ | 下り坂 | 霜と雹で不均一。上位ドメーヌのみ良作を残した。 |
| 1997 | ★★★★★ | 下り坂 | 豊潤で柔らかく早飲き向き。酸が低めの年。 |
| 1996 | ★★★★★ | ピーク | 新鮮で調和の取れた赤。豊作で希釈もあったが、骨格は健全。 |
| 1995 | ★★★★★ | 下り坂 | 雨と腐敗で多くが苦戦。上位は骨格ある赤を残した。 |
| 1994 | ★★★★★ | 下り坂 | 9月の雨で腐敗が広がった困難年。良作は稀。 |
| 1993 | ★★★★★ | 下り坂 | 厚い果皮から濃密でタニックな赤を生んだ古典的好年。 |
| 1992 | ★★★★★ | 下り坂 | 豊作で柔らかな赤。骨格に欠け早飲み向きだった。 |
| 1991 | ★★★★★ | 下り坂 | 霜と雹で苦戦。コート・ド・ボーヌは特に厳しかった。 |
| 1990 | ★★★★★ | ピーク | 歴史的当たり年。コート・ド・ボーヌでも豊潤で長熟ポテンシャル抜群。 |
| 1989 | ★★★★★ | 下り坂 | 豊潤で官能的な好年。1990のしっとりした前哨戦。 |
| 1988 | ★★★★★ | 下り坂 | 9月の好天で骨格ある赤を生んだ好年。 |
| 1986 | ★★★★★ | 下り坂 | 雨と腐敗で苦戦した難しい年。 |
| 1985 | ★★★★★ | 下り坂 | 優美で均衡良く凝縮感を備えた歴史的当たり年。 |
| 1983 | ★★★★★ | 下り坂 | 猛暑と腐敗が混在した難しい年。上位はタニックな赤を生んだ。 |
| 1982 | ★★★★★ | 下り坂 | 豊作で柔らかな赤。早飲み向きで多くはピークを越えた。 |
| 1980 | ★★★★★ | 下り坂 | コート・ド・ボーヌでは均衡良く芳香性に優れた年と再評価された。 |
| 1978 | ★★★★★ | 下り坂 | 晩熟の見事な当たり年。豊潤さと洗練が両立した古典。 |
| 1976 | ★★★★★ | 下り坂 | 酷暑年で凝縮した骨太な赤。長熟性を備えた古典。 |
| 1971 | ★★★★★ | 下り坂 | 凝縮感と骨格を備えた当たり年として記憶される古典。 |
| 1969 | ★★★★★ | 下り坂 | 繊細で骨格を備えた60年代の白眉。 |
| 1966 | ★★★★★ | 下り坂 | 均衡良く優美な古典的好年として記憶される。 |
| 1964 | ★★★★★ | 下り坂 | 凝縮感ある骨太なヴィンテージ。長熟性を備えた古典。 |
| 1962 | ★★★★★ | 下り坂 | 繊細で香り高い赤を生んだ20世紀後半の注目年。 |
| 1961 | ★★★★★ | 下り坂 | 凝縮感ある古典的好年。コート・ド・ニュイより穏やかなスタイル。 |
| 1959 | ★★★★★ | 下り坂 | ボリュームと優美さを両立した50年代の代表的好年。 |
| 1957 | ★★★★★ | 下り坂 | 均衡良くベルベットの様な舌触りを持つ古典。 |
| 1953 | ★★★★★ | 下り坂 | 稀有な優美さを備えた好年。香り高く繊細な赤を生んだ。 |
| 1949 | ★★★★★ | 下り坂 | 優美と均衡を兼ね備えた古典的傑作。20世紀屈指の赤ブルゴーニュ。 |
| 1947 | ★★★★★ | 下り坂 | 戦後の伝説的当たり年。凝縮した果実と骨格を備えた歴史的赤。 |
※ 専門家筋・業界全体の評価を集約した総合スコア。個別の畑や造り手で前後する場合があります。
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12 nearestよくある質問
- Les Santenots du Milieu はどこにありますか?
- Les Santenots du Milieu(レ・サントノ・デュ・ミリュー)は、フランス・ブルゴーニュ地方の Côte de Beaune にある Volnay (in Meursault) コミューンに位置する畑(climat)です。
- Les Santenots du Milieu の格付けは何ですか?
- Les Santenots du Milieu は Premier Cru(一級畑)に格付けされています。ブルゴーニュワインの AOC 体系において グラン・クリュに次ぐ一級格付けに属します。
- Les Santenots du Milieu の所有者・造り手は誰ですか?
- Les Santenots du Milieu には 18 軒の造り手が区画を所有しており、総面積は 約 16.05 ha です。主な所有者として Domaine des Comtes Lafon が挙げられます。
- Les Santenots du Milieu はどんなワインを生みますか?
- Les Santenots du Milieu では主に赤ワイン(Rouge)が生産されます。Volnay (in Meursault) のテロワールを反映したスタイルで、ブルゴーニュを代表する産地のひとつです。
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